初心…最初に思い立ったときの純真な気持ち。物事の習い始めであること。また、そのさま。
または・・・私流~ありがとうの気持ちを「ありがとう」のことばで伝える事。
私が設計事務所に入社したのは23歳の春でした。
「習うより慣れろ」「足の裏の米粒…資格はとっても食えないとらなきゃ気になる」そんな世界に
足を入れました。
ちょうど5月の今頃、所長が留守中のお客様です。
絵本から飛び出したような見た目の職人のオジサン「おい、お前さん、新人か?これ書けるか」
とても厳しい言葉でしたがその奥に何かが見えた気がしたのかなと今感じます。
「書きます」即答しました。「おッ?新人のおねーさん!書けるか~。ほれ、置いとく」
渡された方眼紙には大きな家の外観図らしき物が書かれていました。
設計事務所とお付き合いのある棟梁でした。そしてその棟梁が書いた設計図。
建築確認申請のためには立面図が必要です。縮尺1/100なので…10㎝Ⅹ10㎝の木材は
図面では1mmx1mm。書きました。もちろん手書きです。楽しくて無我夢中でした。
当時CAD化も進みつつありましたが「手書き図面じゃなきゃ仕事は覚えない」と教えられました。
書きあげた時の嬉しさは今も忘れません。
「おッ?おねーさん、やるなぁ~。現場にも必ず来いよ。」と棟梁。
「自分の書いた線、1本1本の線の重みと意味を現場で考えると次につながる」と所長。
今、思うと…この世界を何も知らない私にこの線を書かせてくれた所長と棟梁にありがとうの
気持ちで感謝いっぱいです。
この経験と自信がなければ今はないかもしれないと・・・時々「初心」を見つめなおします。
日本中の新人さん!継続は力です。
↓ はじめて書いた図面のお宅・・・どっしりとした構えは今見ても圧巻。
↓ 今日は作業場に訪ねに行きました。
今も昔も休日返上が当り前の世界。自宅から車で20分ほど北へ…。
今は「おッ?おねーさん」から「おォ~やすこさん」に昇格しています♪
綺麗な空と山・・・ケヤキの大黒柱、ヒノキの柱のいい香り・・・
鉋のシュツシュツという音色が心地良く響きます。
好きな本、尊敬する人↓
西岡常一さん
1908-1995 昭和時代の大工。法隆寺宮大工の棟梁。文化功労者。
法隆寺の昭和大改修、薬師寺復元再建
「棟組は木組、 木は木のクセ組、 木のクセ組は人組、 人組は心組」
「高度成長以降、日本のインフラ建設を支えてきた建設業の「技能集団」
が、次世代への技術・ノウハウの継承の危機に直面している。」
こんな記事を見るとさみしくなります;
にほんブログ村←ランキングに参加しています!ポチっとお願いします!
にほんブログ村←ランキングに参加しています!ポチっとお願いします!
にほんブログ村←ランキングに参加しています!ポチっとお願いします!
住まいの知恵袋 ブログランキングへ